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釈迦涅槃図

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さて先日の夜噺の茶事ですが、泰法寺という姫路市福崎のお寺さんの庫裡でさせていただきました。


歴史の古いこちらのお寺の本堂も素晴らしく、飾ってあったお雛様の写真も取りたかったのですが、とにかくお茶席の水屋仕事やお手前等で忙しかったので、写真を撮る余裕がなかったのが後から残念でした。


こちらは唯一ゆっくりと拝見できた「釈迦涅槃図」。室町時代のものだそうです。



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お釈迦様が亡くなられたときの絵だそうですが、実に様々な人や動物達が集まってその死を嘆き、悲しんでいます。

お釈迦様の周りの8本の木は沙羅の木で、常緑木なのですが釈迦の死で半分の4本が枯れて白くなっています。
しかし4本は残っているので、釈迦は亡くなったけれど、釈迦の教えは残る事を表しているそうです。


亡くなられた日は2月15日の満月だったので、空には満月が描かれています。
天から迎えにきているのは4人のお供を連れた摩耶夫人。お釈迦様を生んで7日目に亡くなった母上です。

他にも40年間インドを旅したお釈迦様の足をさする人や、悲しみのあまり気絶してしまった阿難尊者に水をかけてあげる人、様々な人々が描かれ、また普段は食べたり食べられたりする動物達も争う事なく釈迦の死を悼んでいます。



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中でも私の目が釘付けになったのはこちらのトラ。

自分の干支だからというのもありますが、こんなに悲しげな虎の表情を見たことがありません。


いま、毎朝はまってみているNHKの朝の連続ドラマ「カーネーション」の前に放送している額縁をくぐって物語の中へという番組があるのですが、そちらの番組では一枚の絵を巡り時代風景や解説が詳しくされ、とても興味深く勉強になります。

身近であって身近でもない、日本の宗教画もぜひ取り上げて欲しいですね。



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by fm_k | 2012-02-15 12:27 | *Diary

薬剤師の綴る、美容と健康ときどきヨット。


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